VA・VE事例

薄板溶接で封止する際には、封止板の角を90度にする
<薄板溶接・板金によるステンレス精密板金のVA・VE設計のポイント>

昨今は、それぞれの加工を活かしたハイブリット加工によって、機械加工品や3Dプリンタ部品への溶接などの依頼も増えています。
機械加工では薄肉を残すのが難しい部分や加工時に固定用に開けていた穴の封止を目的とした溶接依頼がありますが、Tigでは溶接できないような薄板溶接の場合は、シビアな制御が可能な薄板専用溶接機を使用する必要があります。
その際、エンドミルで加工しやすいように設計した角Rの穴に合わせ封止板の形状も角Rで設計してしまうと、直線のみで溶接を完了させることができず、ワークの向きの調節や装置のコントロールなど不要なひと手間を招きかねません。
またそのことによる品質のばらつきやコストアップの原因にもつながってしまいます。

封止する穴が長穴や、角にRが付いた形状だったとしても、製品用途上問題がなければ、角が90度の薄板でオーバーさせるように溶接する方が、加工の難易度を下げ品質の安定につながります。
封止板がTigやYAGレーザーで溶接できる0.5mm以上の材料だった場合は問題ありません、加工難度がグッと上昇する0.5mm以下の薄板になる場合、R部の入熱方法やレーザーの調節がシビアになり難しいので、ストレートに溶接しきれる90度角を採用する方が好ましいです。

POINT

シビアな精度や調整が求められる薄板溶接では、ハンディタイプではなく機械制御による溶接機が多く使われています。
それにより、品質の安定や繊細な加工ができる反面、一般的な溶接では問題にならなかった思わぬ不都合が発生する場合があります。
こういった点を踏まえて、別の加工方法から板金加工へ工法転換を行う場合、あるいは薄板を用いる設計においては、特に溶接面における特性に配慮した設計をされることをお勧めいたします。

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