VA・VE事例

アルミの薄板板金は採用する材料を吟味する
<薄板溶接・板金によるステンレス精密板金のVA・VE設計のポイント>

曲げ加工によってクラックが発生しやすいアルミは、薄板板金の際にもよく注意して行う必要があります。上記の写真(A5052)では通常の金型を用いてプレスブレーキにて曲げ加工を行った写真になりますが、このようにアルミを鋭角に曲げると曲げ部にひびや割れが生じてしまうことがあります。なお、一般的に用いられる3000番系、4000番系、5000番系のアルミは曲げ加工を行う際にクラックが発生しやすい材質になります。

アルミの曲げ加工を行う際には、どのような材料を選択するかはもちろんのこと、曲げRを大きくすることが精密板金の品質を大きく左右します。上記の写真では、特殊な金型を使って曲げ加工を行ったものですが、鋭角に曲げるとひびや割れが生じてしまうアルミでもこのように大きくRを取るようにすればひびや割れが生じるリスクが低減します。このように、アルミに曲げ加工を行う際には大きめのRが必要なことを考慮して、他の部品との取り合いを考慮しておくことが必要となります。なお、材質としては、1000番系のアルミを採用するようにすればクラックが入りにくく、品質が安定します。

POINT

金属加工の領域において、例えば機械加工の領域ではアルミは快削材と呼ばれ精密加工に適した素材になりますが、一方で精密板金・製缶板金においては曲げを行うとクラックが入る(もしくはそもそも曲げられない)という特性を持っています。曲げ加工を行う際にはこのクラックを考慮して鋭角ではなく大きなRを持って曲げることがアルミの精密板金においては鉄則になります。さらに、曲げRの他にもアルミの中でもクラックの入りにくいもの(1000番系)を選択することも品質の安定化に繋がります。
なお、薄板溶接.comでは、アルミの薄板溶接に適したファイバーレーザー溶接機を保有しておりますので、大きなRを付けることができない部品は溶接に置き換えることも可能です。

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