VA・VE事例
薄板板金は溶接できる限界板厚を知った上で設計を行う
<薄板溶接・板金によるステンレス精密板金のVA・VE設計のポイント>

ステンレスなどの精密板金において薄板溶接を行う際には、熱による歪みの小さいYAG溶接を採用しますが、どの程度の板厚まで溶接ができるかを把握しておくことが品質とコストを両立させるポイントです。上記の表は市場に流通しているステンレス材の板厚となります。


ステンレスの精密板金では、通常では1mm以下が薄板板金と呼ばれますが、薄板溶接ができる限度は0.3mmまでであり、これ以下の厚さのものは溶接には適しません。さらに、歪みや強度などを考慮すると、0.5mm以上で設計を行っておく方が品質が安定します。薄板板金の場合は薄くすればするほどコストが上昇し、品質が安定しなくなるので注意が必要です。

熱による歪みの少ないYAG溶接でも、溶接する板厚が薄いとひずみが発生し、強度も確保することが困難になります。ステンレスの精密板金において、薄板にて設計・製作を行う際には、少なくとも0.3mm以上の板厚を採用するようにし、さらに設計上問題なければ0.5mm以上の板厚を選択するようにすれば品質が安定すると同時にコストの上昇も抑えることが可能です。
なお、薄板溶接.comではファイバーレーザー溶接機を導入しておりますので、板厚0.05mmからの薄板溶接にも対応可能です。