VA・VE事例
曲げ位置に近い穴にはスリットを入れ穴の変形を防ぐ
<ステンレス精密板金の曲げ加工によるVA・VE設計のポイント>
ステンレスを用いた薄板板金製品は、基本的に抜き・曲げ・溶接・組立の順各工程を経て製作されます。アングルなどのように曲げ加工を行なう製品は通常は穴加工を行なってから曲げ加工を行なうことになりますが、曲げを行う部分と穴の距離が近すぎる場合は、上記のように穴が変形をおこしてしまいます。
穴と曲げの距離が近い場合には穴が変形してしまうので、対策のひとつとしては曲げ位置から穴を離すということがあります。このような設計変更が許容できないステンレスを使った薄板板金製品の場合は、上記の写真のようにプレートに穴の幅分のスリットを加工することによって曲げ加工を行なっても穴が変形しません。なお、強度が必要な場合はスリットを溶接で穴埋めすることも可能です。
薄板精密板金におけるいわゆる曲げ加工は、ステンレスや鉄などの素材の変形を伴う塑性加工になります。従って曲げ加工の内側では収縮し、外側では材料が引っ張られるので、近くにある穴などが変形を起こします。こうした素材のひっぱり等の影響を軽減するために、曲げ加工を行なう部分に穴の直径と同じ長さのスリットを設けることで、穴の変形を回避することができます。スリットによる強度不足を危惧される場合は、溶接による穴埋めが可能です。
薄板溶接.comでは、曲げと薄板溶接を組み合わせた製作をご提案致します。