VA・VE事例
小ロットの板金製品はエンボス加工ではなくケガキで位置合わせを行なう
<その他のステンレス精密板金のVA・VE設計のポイント>
精密板金における位置決めの精度は、その加工品がどのような製品に採用されるかで変わります。従って、±0.5mm程度の寸法精度であればエンボス加工を採用し、±0.1mm程度の寸法精度が要求される場合には、エッジ形状を持ち位置ずれを起こしにくいハーフカット加工を採用します。要求される寸法精度によって工法を選択することが、コストダウンに繋がります。
精密板金において位置決めを行う際には、寸法公差が±0.5mm程度であれば、段取りが必要なエンボス加工ではなく、上記の写真のようにケガキ線で対応します。ステンレスなどの定尺から切り出す際にはレーザー加工機が用いられることが一般的ですが、この外径切断時に位置あわせ用のケガキ線を入れるようにすることで、金型の段取りが必要なくなりコストダウンになります。
精密板金において板同士の位置決めは非常に重要ですが、ロットや要求寸法精度に応じて最適な位置決めの方法を選択する必要があります。小ロットでかつ寸法公差が±0.5mm程度である場合は、金型段取りが必要なエンボス加工ではなくレーザー加工機を用いたケガキ線にて対応することで、段取り時間が省略され、トータルとしてコストダウンに繋がります。
薄板溶接.comでは、1品1品の製品用途に合わせた加工方法をご提案させていただきます。