こだわりの技

ステンレス鋼材とは

精密板金で用いられることの多いステンレス鋼材は、鉄にクロムやニッケルなどの元素を添加した鋼材の一つであり、錆びない(Stain=汚れ がLess=無い)鋼材です。一般的にステンレスは錆びないと思われがちですが、実際は錆びないのではなく錆びにくい鋼材です。材料記号を「SUS」と書きますが、これは”Steel Special Use Stainless”の略です。

ステンレス鋼材の錆びにくさは、鋼材中のクロムが12%以上含有しているときに見られます。従って、ステンレスとは「クロムを12%以上含み耐食性を高めた鋼」である、という言い方もできます。ステンレス鋼材の最新の国際的な定義では、炭素の含有量についても定義されており、炭素=1.2%以下、クロム=10.5%以上となっています。また鋼である以上、鉄(Fe)以外の元素の合計が50%を超えないという条件も付け加えることができます。

ステンレスと一口に言っても様々な種類があります。まず、成分から大別すると、添加元素としてクロムをベースにしたステンレス鋼材と、クロム-ニッケルをベースにしたステンレス鋼材の2つに分けることができます。この大きな2分類のステンレス鋼材に、ある特定の元素を添加することで、耐食性を増したり、耐熱性を向上させたり、様々な付加価値を作り出すことができます。

ステンレス鋼材は、こうした様々な元素を添加することで耐食性などの特定の機能を向上させることができるので、ステンレス鋼材の種類は200種類以上と言われ、生活に欠かすことのできない重要な鉄鋼材料となっています。ステンレス鋼材が使われる業界としては、包丁などの調理器具・厨房機器、建物の内装・外装などの建築材料、ベアリング・シャフト・ノズル・自動車部品・医療器具などの産業用途、食品・化学・薬品などをはじめとする各種プラント、海水のかかる機器類など、耐食性・耐熱性・美観が求められる用途で採用が進んでいます。

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