こだわりの技

ステンレスの板金製品の表面処理方法について

医療・薬品・食品などに使用される機器には、ステンレスが用いられます。これは、ステンレスが腐食しにくいという特性を持っていることがあります(ステンレスの語源は、Stain【=汚れ・錆び】Less【=少ない、無い】です)。
しかし、汚れにくく腐食しにくいステンレスも、溶接を行った箇所は他に比較して腐食しやすいので、下記にて紹介するような表面処理方法を用いて耐蝕性を高めます。

①電解研磨

電解研磨はステンレスの溶接箇所に対して行う、代表的な焼け取りの方法です。電解研磨は、ステンレスなどの金属に応じた電解研磨溶液の中で、その金属をプラスとして直流電流を流し、金属の溶解とともにその金属表面が平滑化し光沢化させる方法です。オ-ステナイト系ステンレス(代表的なものはSUS304)に対してよく採用されます。
 機械的な研磨(グラインダ-やサンドペ-パ-、バフなど)が砥石と圧力により凹凸を切削・変形・摩耗により除去するのに対し、電解研磨は凸部の溶解により平滑化・光沢化するものです。従って、表面は【加工変質を作ることなく、『焼け』や残留物による『汚れ』などを残さない】非常にクリ-ンな研磨方法です。薄板溶接.comを運営する静岡県のマツダでは、溶接するステンレス製品に対して、お客様から特にご指定がなければ100%電解研磨を行い出荷しています。
ただし、この電解研磨には欠点があります。それは、電解研磨溶液が板と板の隙間に入ると、水洗いをしっかりしても液残りが出てしまい、しばらくすると染みでてきて、染みになり残ってしまいます。従って、水洗い処理が非常に肝心になってきます。

②化学研磨

化学研磨は特殊な溶液にステンレスを浸し、化学反応によって表面を溶解する研磨方法です。化学研磨も電解研磨と同様にステンレスに対して研磨を行いますが、化学研磨は複雑な形状をしたステンレス表面の異物除去やスケール除去、洗浄には化学研磨が適しています。

③バフ研磨

バフ研磨は 一般的に布の外周面に研磨剤を塗ったもので製品を磨きます。その加工方法は研削(グラインダー類)とは異なり、加工物の表層のみを磨くことに特長があります。
バフ研磨を行う方法としては、最初に粗削り・粗研磨を行い、最終仕上げで光沢を出す仕上げ研磨まで数回にわたって研磨を行い、仕上げるのが一般的です。研磨の度合いは#80~#1600など多数ありますが、基本的に#400までは磨き目が残り、それ以上になると鏡面(磨き目なし)になります。一般的な食品機械や医療機器では、バフ研磨は#400が採用されるケースが多くなっています。

弊社では、材料の段階でバフ研磨が行われている研磨材を使用しており、溶接加工のある部分には再度バフ研磨を行っています。薄板溶接.comを運営する静岡県のマツダでは、食品関係や製紙機械などの部品も数多く手がけており、お客様の要望に、常に応えられるようにしています。

ステンレスの精密板金、溶接、研磨、表面処理などでお困りでしたら、是非問い合わせください。

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