こだわりの技

薄板板金・薄板溶接におけるYAGレーザー溶接の活用

 溶接と一言で言ってもさまざまな方法があります。鉄・ステンレス・アルミなどの溶接は、半自動溶接機・TIG溶接機が一般的ですが、薄板などの場合は熱により歪んでしまったり、穴が空いてしまったりなど問題になることが多く、半自動やTIG溶接以外の方法も検討しなくてはいけません。
 そこで弊社では薄板などの溶接で特に歪などが気になる場合には、YAGレーザー溶接機(以下YAG溶接)を使用します。YAG溶接と言っても、ピンとこない方もいると思いますが、簡単に言えばレーザー溶接です(なお、YAGレーザーとは、イットリウム・アルミニウム・ガーネットを用いた固体レーザーのことで、複合元素それぞれの頭文字の「Y」「A」「G」を取って、YAG(ヤグ)と呼ばれます)。
 このYAG溶接機を使用することによって、歪を押さえられ、薄板の溶接も可能になるので、医療はもちろん食品関係・工業関係など多種多様な製品の薄板板金に利用されています。弊社では主に、外観重視で強度をあまり必要としない鉄・ステンレス・アルミの溶接に使っています(カバー類・精密部品など。通常アルミの溶接は難しいと言われていますが、弊社のYAG溶接機はビード及び外観の仕上がりも綺麗に加工することができます(3t程度まで)

 なお、YAG溶接はロボットタイプの溶接機も多く、量産加工をする会社ではメリットがあるのですが、弊社では一品一様・小ロットの製品が多くロボットタイプは向かない為、ハンドタイプのものを保有しています。トーチもペンサイズの為、軽くて使い勝手が大変良く、誰でも手軽に小さい製品から大きい製品まで加工ができる上、プラズマ切断も可能であり汎用性にも大変優れています。

<YAGレーザー溶接機の特徴>

 ここで、通常のTIG溶接に比較した場合のYAG溶接のメリットとデメリットを挙げると下記の通りとなります。

メリット① 歪みが少ない   熱が集中し、母材への入熱が少ない
メリット② 仕上がりがよい  パルス制御でビードが均一
メリット③ 継手自由度が高い ハンドタイプの為、いろいろな継手が可能
メリット④ 材料を選ばない  ただし高反射率素材の銅などは不可
メリット⑤ 薄板溶接が可能  弊社ではSUS304 0.3tまで実績あり

デメリット① 消耗品費が高い
デメリット② 厚板には向かない t3程度まで
デメリット③ ビード幅が狭く  溶け込み量は深い)強度的に不安がある
 このほか、装置が大型である、レーザーなので人体への危険度が高い、ということがあります。
 YAGとアルゴン溶接を比較すると下記の通りとなります。

YAG-TIG比較

ステンレス溶接・精密板金を運営する静岡県の㈱マツダでは、YAG溶接・TIG溶接それぞれの特性を考慮した上で、お客様のメリット・デメリットを考え喜んでいただける製品製作をお手伝いします。薄板板金・薄板溶接などでお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。

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